今回は、作家の堀口岱子さんをご紹介します。
高校卒業後、叔父のデザイン会社でエアブラシを使いポスター制作などを経験、その後美術短期大学へ進学。1962年卒業後も美術の学びは続け、美術教育を井田秋雄先生、絵画を丸山妙子先生、彫刻を坂手壌先生に師事。
90年代、現代美術作家達との交流から刺激を受ける。
人体彫刻、平面作品、インスタレーション等、作品を変化、展開し続けてきた。
作品は、人物を対象にしたものが多く、
「何で人間の形はこうなったのか?いつも作りながら考えているの。」
「形を全て見せるのではなく、精神的なものは半分隠した中にあると考えているの。」
と、柔らかい口調で教えてくれました。
久しぶりにお会いし、作品のことや、ご自身のことなど伺ってきました。
動画と共に文章をご一読いただけますと、作品を身近に感じていただけると考えています。
スペースUで25年前に出会ってから、変わらずチャーミングで美術に対する熱を持つ方です。
略歴はPart 2に掲載しましたので、ご覧ください。
YouTube
「現代アートのアトリエから No.5」
こちらからもご覧いただけます。
守破離雛
守破離とは、芸能や武道におけるプロセスを表す言葉。
先人の教えを守ることから始まり、習得できたらその型を破る、最終的には独自に発展させ、型から離れた己のスタイルを確立すること。
お雛様ではあるが、今までなかった形であること。
今までにない制作方法のテラコッタ彫刻であること。
古いものを破り、新しいものを作っていくという意味も込め、守破離雛と名付けたそうです。
陶芸家ではないから出来た事、陶芸をよく知る者ならこんなことはしないだろう、と作家は言う。
無垢の土は少しでも空気が入っていると、焼いた時爆発するため、厚みのある物を焼くことは危険だ。当時、通っていた陶芸教室の先生にも無謀だと言われたが、アイデアを形にしたくて制作方法を探った。
1つの作品が出来上がるまでに1ヶ月かかるが、独自の製法で焼き上げることに成功。
しかし、作品に空気が入っていて爆発したり、形が歪んで中の小さな立方体が入らなかったりで、成功率は50%だった。
大変な作業だったが、自宅に窯を購入し、制作は夢中になるほど楽しかった。
個展で発表することになり、画廊から特許を取った方がいいと進められ、特許を申請。世界でも他にない作成方法として認められ、守破離雛は「テラコッタ彫刻の作成方法」として特許を取得した。
立方体の内側を見せる様に開くと、タネのように小さな立方体が入っている。それを上に乗せると雛の頭になり、中に戻すと子宮の中の子の様にも見える。
立方体の外側、内側で色や模様が違うので、置き方で何通りもの楽しみ方ができる作品です。
「内と外」「XとY」「男と女」「生と死」表裏一体を感じ、作品に反映している作家の作品の中でも、遊び心を感じる可愛らしい作品。
白いシリーズ、黒いシリーズ、花のシリーズと、年毎にテーマを持って製作していた時期もあった。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
作品との良い出会いを!
DEア ートでした。
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